- Adderall
- The Dying Song (Time To Sing)
- The Chapeltown Rag
- Yen
- Hive Mind
- Warranty
- Medicine For The Dead
- Acidic
- Heirloom
- H377
- De Sade
- Finale
特におすすめの曲!
賛否両論!?個人的にはかなり好き。
アメリカのロックバンドSlipknotの通算7作目のスタジオアルバム。2022年作品。
前作より約3年ぶりのアルバム。今作のタイトルは「ひとつの時期の終わり、そして新しい人生の始まり」を意味するとの事。ただslipknotはあの衝撃のデビュー作よりすでに23年の月日がたってますし、ひとつの時期というにはちょっと長すぎるかなと思ってしまう。デビュー時のメンバーは9人中3人がいなくなってしまいましたし。個人的には音楽的にも5th以降がSlipknot第二章みたいな印象でしょうかね。
さて、中心メンバーのクラウンことショーン・クラハンによると、「今作は3rdをいっそう重厚にしたような作品」との事です。確かに、当時Slipknotの新たな一面を表現した名曲”Vermilion“を彷彿とさせるような曲があったりと、3rdに近い雰囲気はありますね。
なんといっても#1.Adderallでまず驚き。「え?これSlipknotだよな?」ってな感じの意表をついたメロウなオープニングナンバー。怪しくも美しいというか、なんとも独特な雰囲気の曲でかなり戸惑いました。ですが次の#2.The Dying Song (Time To Sing)、#3.The Chapeltown Ragは従来のSlipknotらしい激しい曲で一安心。もちろんカッコいいんですが・・・#3なんかは初期の曲の劣化版みたいに感じてしまうんよなぁ・・・
#4.Yenは悲哀的で叙情的な雰囲気に重厚な演奏が乗るメロディアスなスローナンバー。これは今作の核になる曲でしょう。#8.Acidic、#12.Finaleも同系統の曲。この辺は人によっては好き嫌いが分かれると思います。#11.De Sadeもスローだがひときわキャッチーで明るい雰囲気でアルバムの中では異彩を放ってますね。終盤の多彩な展開やギターソロの掛け合いはかなり気に入りました。
個人的に一番好きなのは激烈な#5.Hive Mind。ブラストビートを取り入れた手数の多いドラム、ヘヴィで小気味のいいギターリフ、キャッチーなメロディーに練られた曲展開、絶妙なバックコーラス・・・Slipknotらしく賑やかでまさに非の打ち所がない曲です。#6.Warranty、#10.H377もヘヴィでダイナミックでライブで盛り上がりそうな曲で大好き。こういう曲を聴くと、やっぱりそんじょそこらのバンドとは格が違うことを再認識。Slipknotが好きならこの3曲は必ず気に入るでしょう。
今作は半分以上がスローな曲なのでそれらの曲が気に入ったなら今作は名盤でしょう。もはや、初期2枚のような作品は期待できないのはずっと前からわかりきっていることなんですが、どうしても期待してしまうのはわかります。でもそれらしい曲でも#3のように過去の曲の劣化版みたいになっちゃうわけで・・・メンバーも歳をとっていきますし、個人的には今後は#4や#11みたいなメロディ重視な曲を中心にするのもいいと思います。同じメロディアスな曲でもStonsourとは演奏が全然違いますし、スローでメロウな曲にSlipknotのわちゃわちゃした騒がしいサウンドが乗るのは面白いですよね。なんだかんだで私は今作はかなり気に入りました。
ちなみに、元Dream Theaterのマイク・ポートノイは今作をアルバム・オブ・ザ・イヤーであり、彼らのサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドと大絶賛しているそうです。