Avenged Sevenfold 【Life Is But A Dream…】レビュー

  1. Game Over
  2. Mattel
  3. Nobody
  4. We Love You
  5. Cosmic
  6. Beautiful Morning
  7. Easier
  8. G
  9. (O)rdinary
  10. (D)eath
  11. Life Is But A Dream…

特におすすめの曲!

目次

彼らはどこまで進化するのか・・・

アメリカのメタル・バンドAvenged Sevenfoldの通算8作目のスタジオアルバム。2023年作品。

前作より7年ぶりの作品です。初期はメタルコアでしたが、アルバムごとに異なるアプローチを示してきたことからわかるように、かなり才能豊かなメンバーが揃っており、常に挑戦を続けているバンドという印象でしょうか。
私は彼らの作品では3rd”City Of Evil”が一番好きですが、2~5枚目までは全部好きで結構聴きました。ただ、いろいろと物議を醸した6枚目“Hai To The King”はあまり好きじゃなく、その次にあたる前作”The Stage”もHail To The Kingよりは好きでしたがそんなに聴きこみませんでしたね・・・

そんな中、かなり久しぶりにリリースされた今作はコンセプトアルバムとの事。「人間の存在意義と、死に対する恐怖」をテーマに、「異邦人」などで知られるフランスの作家、アルベール・カミュの著作物にインスパイアされたとの事。共同プロデューサーとしては前作同様ジョー・バレシが、ミキシングはこれまで同様アンディ・ウォレスが務めています。

今作を最初に聴いた際はやや実験的で難解な印象を受けました。特に後半なんかはプログレ色が強すぎて全くメタルではありません。ただ、一曲一曲がかなり繊細に作り込まれていて、疾走したかと思えばスローで壮大な展開になったりと目まぐるしく劇的に変化する展開はまるで映画をみているような感覚に。非常に深いアルバムだと思いました。これまで同様の質の高いメンバーの演奏はもちろん、様々な楽器や効果音なんかもこれでもかと盛り込まれているアレンジは聴くほどにのめり込むほどに凝ってます。また今作のコンセプトによるものなのか、アルバムを通じて哀愁のある独特の雰囲気が流れていて、これもまた映画のようにドラマティックで芸術性を感じます。

#1.Game Overは叙情的なアコギで始まり、その後、いきなり疾走モードに切り替わったかと思えばいきなりQUEENみたいな展開になったりとオープニングに相応しいガツンと来るナンバー。歌メロはこの曲が一番従来の彼ららしいと思いました。#2.Mattelはヘヴィなパートと落ち着いたパートのコントラストが激しく、メリハリのある曲。静かなパートはなんともムーディな雰囲気でこのアルバムを象徴してるかも。

先行公開されていた#3.Nobodyはテンポはミドルで一定ながら一曲の中で色んな展開が顔を出す重厚で面白い曲。切ないメロディーはいい感じだけど実験的で難解な印象。ギターフレーズはすごいプログレっぽいよね。終盤のダークで趣のある雰囲気は北欧のメロデスバンドみたいで好きです。

#4.We Love Youは疾走したり静かになったり展開の起伏がすごい。なんかSystem of a downを思い出してしまいました。ピコピコと電子音が出てきたり、ラストはアコギのスライドギターにコーラスが乗るパートは全曲同様ダークで叙情的。疾走するギターソロはかっこいいと思いました。

#5.Cosmicは個人的に今作で一番のお気に入り。クリーントーンのギターコードとしっとりとしたVoから始まり、メロウなギターソロが2分近く続いた後はそれまでの雲が全て晴れたかのような壮大でピースフルな雰囲気に一変。歌メロもポップで最高。ラスト2分はストリングなんかも入り乱れた軽快で豪勢なサウンド。この曲は聴き入っちゃいました。

#6.Beautiful Morningはヘヴィでまた重い雰囲気に戻ったかと思えばまたまた2分過ぎから壮大な展開へ、しかしまたもとに戻り、ラストはピアノで締め。#7.Easierは#5の後半に通ずるポップな雰囲気。加工されたボーカルが曲にマッチしていていい感じ。

そして#8.Gからはプログレ度が加速。女性コーラスがフィーチャーされてて新鮮。この曲から最後までは全部つながってて一つの曲みたいに聞こえますね。#9.(O)rdinaryはボーカルがかなり加工されててロボットみたいな感じ。スペーシーなシンセなんかも相まって近代的な雰囲気。ファンク風味の演奏も印象的。#10.(D)eathはムーディでドラマティック。映画で流れてるように壮大。ストリングスの音色が美しくていいですね。

ラストのタイトルトラック#11.Life Is But A Dream…はアルバムのアウトロ的なピアノのインスト。「人生は夢にすぎない・・」というタイトルを感じながら聴くと、儚げというかなんともいえない感情が芽生えてくるような・・・

賛否は分かれるかもしれませんが個人的にはかなり気に入りました。3~5枚目みたいな音楽性を求めてる人には不向きかな。でも聴くほどに新たな発見があるようなアルバムだと思います。
あとはジャケットもいいですね~ ウェス・ラングという美術家の方が手掛けたみたいですが、アルバムの内容とマッチしていて素晴らしいと思います。今作の楽曲はライブではどのような感じになるのか気になりますね。でも調べてみたら彼らは2014年のSUMMER SONICを最後に来日してないんですね・・・ライブ見てみたいなぁ。

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