Foo Fighters 【But Here We Are】レビュー

  1. Rescued
  2. Under You
  3. Hearing Voices
  4. But Here We Are
  5. The Glass
  6. Nothing At All
  7. Show Me How
  8. Beyond Me
  9. The Teacher
  10. Rest

特におすすめの曲!

目次

泣ける・・・これは最高傑作かも・・

USのロックバンドFoo Fightersの通算11作目のスタジオアルバム。2023年作品。

およそ2年ぶりのアルバムです。白いジャケットが印象的。日本盤買ったんですが、帯の文字も歌詞カードも白くて読みずらいw。それはさておき、コロナ禍によって延期されていたワールドツアーが再開された矢先の2022年3月、FooFightersの2ndアルバムからドラムを叩いている盟友、テイラー・ホーキンスが急逝。さらには同年8月にはデイブ・グロールの母親も亡くなるという悲劇に見舞われます。そんなデイブの状況は、当然ながらアルバム制作に多大な影響を与え、ほとんどの楽曲がそれに関連した歌詞の内容となってます。
未だに受け入れる事ができなかったり、それでも前を向いていくという決意、そしてメッセージ、本当に心を打たれます。そうした背景もあってこれまでの作品よりもデイブの歌声がすっと入ってくる印象を受けました。

ただ、サウンドはシンプルでストレートながらもどっしりとした貫禄を感じさせるキャッチーなロック。また、静から動と、ロック・ミュージックの魅力と醍醐味でもあるダイナミックで練られた曲展開は本当に巧み。1曲の中でも様々な展開とアプローチが繰り広げられており、さすがは長く第一線で活躍を続けるバンド、といったところでしょうか。

#1.Rescuedはマイルドで彼ららしいコード進行とメロディーを堪能できるロックナンバー。後半の展開が熱いね。#2.Under Youは曲調こそFoo Fighters印のキャッチーでアップテンポな爽快ナンバーだが歌詞は大切な人を亡くし、悩み苦しむ心情を書き綴ってます。#3.Hearing Voicesは切ない雰囲気の叙情的なメロディーが歌詞にマッチしてます。タイトルトラックの#4.But Here We Areはデイブのシャウトが凄い。まさに心の叫び。多彩なドラムパターンだったり曲もよく練られてて聴きどころたっぷり。


バラード調の#5.The Glassはサザンロックっぽい雰囲気でいい感じ。#6.Nothing At AllはレゲエっぽいリズムのAメロからサビでバッとはじける展開が実にロック。女性ボーカルとのデュエット曲#7.Show Me Howは穏やかでポップ。浮遊感があって綺麗なメロディーがクセになる。寝る前に聴きたい曲。#8.Beyond Meも力強いバラード。これも歌がすんなり入ってきてシンプルで聴きやすい。


やや重い雰囲気で幕を開ける#9.The Teacherは10分超えの壮大なスケールの曲。元教師だったという、デイブの亡くなった母のことを歌ったと思われる曲。アップテンポな前半から、後半は荘厳で神秘的な雰囲気へと展開。ラストもニヤリとしてしまう演出がにくい。#10.Restはアコギの静かな弾き語り、かと思えばといきなりジャーンと大きな音が入り賑やかになるがこれがギターじゃなくてノイズを大きくしたようなサウンド。面白いし不思議とよりドラマティックになってるような・・・

いやーいい作品です。メチャ気に入りました。Foo Fightersのアルバムってなんとなく出るたびに買ってはきたものの、どれが一番好きかと考えるとなかなか難しい。どのアルバムも平均は超えててそこそこいいけど飛びぬけたアルバムがない印象でした(あくまで個人的には)。これまでだと一番聴いたのはたぶん7th”Wasting Light“かな・・・今作は最高傑作かも。自分も今後、大切な人を亡くした時はこのアルバムを聴くのだろうと思います。夜にヘッドフォンでその音にどっぷりと浸るのをおすすめします。

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