奴らが帰ってきた!12年ぶりのアルバム!
日本のロックバンドTHE SLUT BANKSの通算4作目のスタジオアルバム。2012年作品。
実に12年ぶりのアルバムです。2000年リリースの前作「死霊遊戯~EVIL THE DRAGON~」の後、ヴォーカルのTUSKさんがCRAZEに加入するためバンドを脱退。そのため実質的に解散状態へ。その後TUSKさんがCRAZEを脱退し、再加入。2007年から再始動しました。ドラマーのSMOKIN STARこと新美さんは再始動には参加せず、代わりに弐代目HONEY bee GARDENこと満園英二さんが加入しています。また、今作では初代ギタリストのDr.SKELTONこと横関敦さんがサポートとして参加しています。
待ちかねた蘇生後第一弾のアルバムです。この作品の前にライブ会場やオンライン通販限定で「極!SHOCK」と「METAL MIND」の2枚のミニアルバムをリリースしてます。(その後その2枚を1枚にまとめた「極!METALMIND」もリリース)
それらの作品を聴いてなんとなく予想はできましたが、活動休止前の彼らのなんでもありのごちゃ混ぜ轟音ロックが大好きだった人からすれば何か物足りない。ストレートすぎるのかな。ハードロック色が強くどちらかというと過去のTHE SLUT BANKSより戸城さんがこのバンドの前にやってたTHE DUST’N BONEZに近いかもしれません。なので以前のTHE SLUT BANKSの音を期待するとちょっとがっかりするかもしれません。
でもやっぱり速くてメロディアスなロックは聞いていて気持ちが良いですね。過去との比較とかは抜きにして純粋に非常にカッコいいロックアルバムです。戸城さんのセンス溢れる楽曲に存在感抜群のベース、TUSKさんの個性的な歌詞がやはりそこらのバンドとは全然違う。
#1のMETAL MINDは過去のミニアルバムにも収録されていた曲ですが再録音してます。音もずっしり重くなってて「おお!」となりました。この曲、蘇生後の代表曲でしょう。#3のONLY YOU、#4のコヒワヅラヒは戸城さんお得意のアップテンポでキャッチーで即効性高し。いい曲です。
#5の毒溜まりではサポートの横関さんが、過去の在籍時は封印していたお得意のジェットフィンガーな超速弾きを披露してます。この曲は以前のスラットを思い出させてくれる曲調で一番好きですね。#8のグラビアの少女は戸城さんがスラット再始動を自分のサイトで発表した時に流れていた曲。なので再始動後に初めて聴いた曲です。あの時は嬉しかったですねぇ。またTHE SLUT BANKSが聴けるぞ!って興奮しました。
総合していいアルバムなのですが、個人的にはスローでメロウな曲がラストにもう1曲ほしかったと思う。この作品には蘇生後の2枚のミニアルバムから4曲収録してるのですが、それなら「雨に打たれたとでも思へ」か「疵跡に口づけを」のどちらか収録してもよかったのでは?と思いましたね。
でも蘇生後第一弾として十分聴きごたえのある作品です。