Soilwork 【Övergivenheten】レビュー

  1. Övergivenheten
  2. Nous Sommes La Guerre
  3. Electric Again
  4. Valleys Of Gloam
  5. Is It In Your Darkness
  6. Vultures
  7. Morgongåva/Stormfågel
  8. Death, I Hear You Calling
  9. This Godless Universe
  10. Dreams Of Nowhere
  11. The Everlasting Flame
  12. Golgata
  13. Harvest Spine
  14. On The Wings Of A Goddess Through Flaming Sheets Of Rain

特におすすめの曲!

目次

さらにサウンドの幅を広げたSoilwork流メタル!

スウェーデン出身のメロディック・デスメタルバンドSoilworkの12作目のスタジオアルバム。2022年作品。

私が初めて買ったメロデスのアルバムが彼らの5th“Figure Number Five”だったこともあり、非常に思い入れのあるバンドです。メタルバンドを集めたコンピレーション・アルバムでこのアルバムのオープニングを飾る“Rejection Role”を聴いたのがSoilworkに興味を持つきっかけでした。当時はデスメタル・バンドという認識はなく、「ちょっと激しめのメタルバンド」くらいに思ってたんですが・・・

彼らはマンネリを感じてやや微妙な時期もありましたが、8作目くらいからはそれを完全に脱し、10作目の“The Ride Majestic”は個人的にかなり気に入り結構聴きましたし、来日公演も見に行きましたね。ボーカリストのビョーン “スピード” ストリッド のオーラのあるパフォーマンスが圧巻でした。
前作”Verklighete”は凄腕ドラマーのダーク・ヴェルビューレンがMegadethに引き抜かれてしまい、やや不安視されてましたが、ダークの教え子であったという後任のバスティアン・トゥスゴールがさすがのテクニックを披露、結果いつも通りの安定のアルバムでホッとしました。

そして今作ですが、聴いた感想としては、サウンドの幅が広がり、もはやメロデスというジャンルではくくれないほど壮大な雰囲気ですね。従来の激しくもメロディアスな楽曲を軸に、今作ではブラックメタルの要素の強いアプローチも目立ち、さらにキーボードがいつもより前面に出ていたり、ヴァイオリンを導入したり、北欧色の叙情的なパートが増えた印象。それがうまく融合してSoilwork流のメタルを形成しています。

#1.Övergivenhetenはイントロからアコギ主体の叙情的。さらにクワイアも導入されていて荘厳な雰囲気。#2.Nous Sommes La Guerreでは女性のボイスのナレーションが導入されたり、この曲も壮大なスケール感。キーボードがいい仕事してますね。ラストの静かな展開のパートは北欧色の強い、冬の空のような雰囲気で好き。どちらもサビはメロディアスで聴きやすく、ビョーンがやってる別バンドのThe Night Flight Orchestraに近い感触ですね。この頭2曲は新鮮で驚き。Soilworkがただのメロデスバンドではないことが十二分に証明されてますね。

今作はアルバム通してこの流れか?と思いきや、激烈なブラストビートで始まる#3.Electric Againで、「お、ようやくいつものSoilworkっぽい曲!」と感じるも、間奏ではヴァイオリンのソロが入っていて驚き、さらに、またブラストビートに変化してのギターソロ。ダイナミックな展開で凄いっす。

#4.Valleys Of Gloamは哀愁漂うメロディアスなハード・ロック。デスボイスは登場しなく、この曲もThe Night Flight Orchestra っぽいね。でも歌メロは今作では一番好きかな。#8.Death, I Hear You Callingも同系の曲。オーソドックスなメタリック・リフがどこか懐かしく響くね。

他にも爆走する曲調がどことなく初期っぽい雰囲気の#5.Is It In Your Darkness、展開が目まぐるしく変化、様々なジャンルのメタルが顔を出し、ラストは神秘的な雰囲気で終わる#6.Vultures、美しいピアノからブラックメタル的なブラストビートになだれこむもヴァイオリンも導入されていて不思議な雰囲気の#9.This Godless Universeなんかも印象的。

インストの#7.Morgongåva/Stormfågelもピアノとメロディックなギターが中心のムーディーな曲で、アルバムのいいアクセントになってますね。

相変わらずの安定感。さすがはベテランです。後半の曲が少し弱いかな?とは思いますが良いアルバムです。The Night Flight Orchestraのメロディックな要素がSoilworkにも還元されているような印象。今後も#1、#2のような壮大な楽曲を積極的に作ってほしいと思いました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次